「ゴロゴロ」「ぎゅるぎゅる」と
お腹が鳴る
お腹がゴロゴロ鳴る、ぎゅるぎゅる鳴る、ということでお困りではありませんか?
もっとも多いのが、空腹時にお腹が鳴る・食後にお腹が鳴るというケースであり、またその場限りのものであれば、通常は心配ありません。
しかし、中には背景にある病気を原因として、お腹がゴロゴロ、ぎゅるぎゅる鳴るというケースも見られます。
お腹が「ゴロゴロ」「ぎゅるぎゅる」
音が出るのはなぜ?
胃の収縮、腸の蠕動運動が活発になったとき、お腹が鳴ることが多くなります。
空腹時、食後などにも見られる現象であり、多くは心配いりません。しかし、特に他の症状を伴うケース、おならのにおいが強い・多いケース、慢性的にお腹が鳴るという場合には、お早目に当院にご相談ください。
気にしなくてもよいお腹の「ゴロゴロ」「ぎゅるぎゅる」
空腹時・食後に鳴るとき
空腹時は、胃が収縮するためにお腹が鳴りやすくなります。ほとんどの方が、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
また食後も、食べたものを消化するためにお腹が鳴ることがあります。特に、炭酸飲料、パン、麺を摂ったときには、お腹が鳴ることが多くなります。
乳製品を摂って鳴るとき
牛乳やヨーグルトなどを食べたとき、乳等が消化しきれずに、お腹が鳴ることがあります。この場合も多くは心配ありませんが、音が恥ずかしいというようでしたら、該当する食品を摂る回数や量を減らした方がいいでしょう。
冷たいもの・刺激物を摂って鳴るとき
冷たい飲み物、冷たい食べ物、唐辛子、アルコール、カフェインなどを摂ったときは、腸が刺激されてお腹が鳴ることがあります。
病的なものではなく、心配いりません。ただ、冷たいもの、刺激物の摂り過ぎは胃や腸の負担になることには変わりありません。特に夏場などは食べたく・飲みたくなりますが、お腹を下すこともありますので、注意しましょう。
生理中に鳴るとき
生理が始まると、子宮が収縮し、お腹が鳴ることがあります。これは、プロスタグランジンの分泌によって起こる生理現象です。
通常心配ありませんが、ひどい出血・痛み・下痢を伴う場合には、婦人科の受診をおすすめします。
受診をした方がよいお腹の「ゴロゴロ」「ぎゅるぎゅる」
下痢や便秘を伴うとき
下痢や便秘を伴うときには、過敏性腸症候群、腸閉塞、大腸がんなどの病気を疑う必要があります。
吐き気・嘔吐を伴うとき
吐き気や嘔吐を伴うときには、ウイルス性・細菌性の腸疾患、過敏性腸症候群、腸閉塞といった病気を疑う必要があります。
おならのにおいがきついとき・頻繁に出るとき
おならは誰でもするものですが、そのにおいがいつもきつい、回数が多いというときには、腸内にガスが溜まっている可能性があります。過敏性腸症候群、腸閉塞、大腸がんなどが疑われます。
お腹が「ゴロゴロ」「ぎゅるぎゅる」の場合に考えられる疾患
お腹がゴロゴロ鳴る、ぎゅるぎゅる鳴るという場合に考えられる疾患としては、以下のようなものがあります。
過敏性腸症候群
ストレス、自律神経のバランスの乱れなどを原因として、腸の機能が低下した状態です。
下痢、便秘、あるいはその交互の繰り返し、おならのにおいがきつくなる・多くなるといった症状が見られます。
腸閉塞(イレウス)
腹膜炎に伴う腸の癒着、ヘルニア・大腸がんによる閉塞などを原因として、腸内の内容物が正しく運ばれなくなります。
吐き気、嘔吐、腹部の張り・痛みなどの症状が見られます。また腸内にガスが溜まることから、おならが多くなることもあります。
大腸がん
生活習慣の乱れ、飲み過ぎ、喫煙、肥満などを原因として大腸粘膜に発生するがんです。多くは、大腸ポリープからがん化します。
進行すると、便秘・下痢、血便、便が細くなる、貧血などの症状が現れます。便秘と下痢が交互に繰り返されることもあります。
お腹の調子がいつもと違うときには
ご相談ください
空腹時や食後、乳製品・冷たいもの・刺激物を摂ったときなどに一時的にお腹がグルグル鳴る、ぎゅるぎゅる鳴るといった場合には、基本的に過度に心配する必要はありません。
しかし、他にお腹・便の症状が見られるとき、あるいはおならのにおいがきつい・多いという場合には、病気が隠れている可能性があります。
大腸がんをはじめとする腸の疾患は、ほとんど症状がないケースが少なくありません。「いつもと違うな」と感じたときには、お早目に当院にご相談ください。
当院では、必要に応じて大腸内視鏡検査を行い、大腸の病気の早期発見に努めます。