便秘のときに吐き気がある
“便秘”の定義は少し曖昧で、「〇日出なかったら便秘」という数字で表せるものではありません。排便時に痛みをはじめとする症状がある、排便できないことで辛さがある、排便はあるけれど便が残っている感じがするといった場合などが“便秘”となります。
さて、その便秘のときに、吐き気を伴っていることはありませんか?
そのような場合には、胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、腸閉塞などの可能性を考慮した診察・検査・診断が必要になります。
便秘と吐き気があるときに考えられる
疾患
便秘と吐き気が認められる場合に考えられる、代表的な疾患をご紹介します。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍(消化器潰瘍)
胃・十二指腸に生じる潰瘍です。ピロリ菌の持続感染、非ステロイド性抗炎症薬の内服が主な原因です。
便秘や吐き気の他、みぞおちの痛み、食欲不振、嚥下障害、胸やけ、胸痛、吐血、下血、貧血、などの症状が見られます。
過敏性腸症候群【便秘型】
ストレスや自律神経のバランスの乱れを原因として起こります。
腸の機能が低下することで、便秘や下痢、あるいはその両方が交互に訪れます。また便秘に伴い、吐き気症状が見られることがあります。
腸閉塞(イレウス)
腹膜炎における腸の癒着、ヘルニア、大腸がんなどによって、腸の内容物が肛門までスムーズに運ばれない状態です。
便秘や吐き気・嘔吐の他、腹痛、腹部の張りなどの症状が見られます。
便秘症
便秘が悪化することで、吐き気を合併するタイプです。「便秘は体質だから仕方ない」と考えてしまいがちですが、病気ではなくても、生活習慣の見直しや薬物療法などで改善は可能です。また、実は病気を原因とする便秘だったということもあります。
便秘でお悩みの方は、諦めず、かつ甘く見ず、一度当院にご相談ください。
便秘と吐き気でお悩みの方は
ご相談ください
「昔からずっと便秘なんです」「昔からずっと下痢なんです」と、長く放置してしまう方がときどきおられます。
ただ、便秘も下痢も、体質だけで起こるものではありません。食習慣や運動習慣、ストレス、あるいは病気など、さまざまなことが原因になり得ます。
特に、便秘や下痢以外に吐き気などの症状があるときには、病気の疑いは強くなります。必ず医療機関を受診し、病気であるのかそうでないのかをはっきりさせましょう。
当院では、胃内視鏡検査・大腸内視鏡検査を行っております。両検査を同日に連続して受けていただくことも可能です。なお、病気でなかった場合にも、生活習慣の改善などにより、便秘の改善・解消を目指すことができます。
少しでもご不安を感じたときには、どうぞお気軽にご相談ください。